「あの暑い夏の総選挙の日から、すでに2カ月がたとうとしています。」
と淡々と国民に語りかけるように、自分の言葉で誰にもわかるように、自らの政権が目指す社会の姿を、政治の理念を語りかけたいという氏の思いが伝わってきた。最近の自民党の多くの首相たちが、各省庁から出された政策を読み上げるだけの演説とは大きな違いであった。
青森県に遊説に行ったときに会ったおばあさんの息子さんが職に就けず自らの命を絶つしかすべがなったという例をあげて、「いのちを守り、国民生活を第一にする政治」について熱く語り、また、従業員の7割が障害者という工場について紹介し、働く側も受け入れる側も苦労は小さくないが、誰にも「居場所と出番のある社会、支え合って生きていく日本」、弱い立場、少数の人々の視点が尊重される政治について言及し、これこそが友愛政治の原点であるとした。要約すると骨子は、脱しがらみ、脱官僚、脱コンクリート、脱むだの政治であり、具体的には、
・官僚依存の仕組みを排し、政治主導・国民主導の新しい政治に転換する。
・弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重される社会の実現する。
・市民やNPOの活動を側面から支援する。
・家計を直接応援することで「人間のための経済」への転換を図る。内需中心の安定的な成長を実現する。
・地域のことは地域に住む住民が決める「地域主権」改革を断行する。
・2020年に温室効果ガスを1990年比で25%削減する目標を掲げ、国際交渉を主導する。
・緊密かつ対等な日米関係を基礎とする。
やや具体性に欠けるという批判もあるが、さまざまな格差や痛み、制度のほころびが深刻になっている日本社会にあって、正面から、社会の作り直しを訴えた率直さが新鮮に響いた。
自民党の新総裁谷口氏はコメントを求められて、「冗長で、感傷的」と言い切ったが、では諸君らの末期的症状だった麻生政権は何をしたか、いや歴代の自民党政権と官僚との汚れきった癒着が今のような日本にしてしまった責任をどう取るのか、ばかも休み休み言え。
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