2009年06月12日

乳房ある憂さ…

関東地方も10日に梅雨入りしたようだ。いよいよ憂鬱な季節である。桂信子にこんな句がある。

ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき  信子 

昭和30年発行の彼女の第二句集『女身』にある。僕の好きな句である。彼女は俳句は男、短歌は女といわれていた頃に俳句の道を切り開いた女性としてはさきがけのような人である。その瑞々しい感性に惹かれる。

昨夜遅くというか、今朝早くといった方がいいが、ラジオでとうとうWHOが今流行している豚インフルエンザの警戒度レベルを最高値のフェーズ6に引き上げることに決定したというニュースを聞いた。桂信子の梅雨の句を思い浮かべて床の中でうとうとしていたのだが、すっかり目が覚めてしまった。
そのニュースの中で最近よく聞く「パンデミック」という語について考えてみた。感染症が限られた期間に急激に世界的に大流行することをいうのだそうである。そういう意味ならすぐ思い出すのはスペインかぜのことだ。思い出すと言っても、スペインかぜが流行したのは1918年のことだから、僕はまだ生まれてもいない。仮に生れていたとしたら、僕みたいな病気がちのものはとっくの昔にこの世にはいないだろう。1918年といえば第一次世界大戦のころだ。日本では米騒動が起こったりしていた頃だ。シュペングラーが『西洋の没落』を書いた年であり、 魯迅が『狂人日記』を書いた年でもある。
スペインかぜでは世界で約4000万人、日本では約39万人が死んだと言われている。当時のことだから実数はもっと多かったのではないかとも言う人もいる。それにしても驚愕的な数字である。



posted by tora13 at 12:53| 埼玉 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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